認知症による行方不明者増加 – 私たちにできること

皆さん、こんにちは。今日は、私たちの社会が直面している深刻な問題についてお話しします。それは、認知症による行方不明者の増加です。

最近、介護ニュースサイト「Joint」で目にした記事が、私の心に強く残りました。警視庁の発表によると、2023年に認知症が原因で行方不明になった人の数が、なんと19,039人に達したのです。これは前年から330人も増加し、統計開始以来11年連続で最多を更新しているそうです。

しかし、この数字はあくまでも警察に届け出があったケースだけです。実際には、もっと多くの方が行方不明になっている可能性があります。この現実に、私は言葉を失いました。

認知症による行方不明は、単なる「お年寄りの迷子」として軽視できない問題です。行方不明になった方は、様々な危険にさらされます。転倒して骨折したり、交通事故に巻き込まれたり、真夏なら熱中症になる可能性もあります。最悪の場合、命を落とすこともあるのです。事実、昨年の行方不明者のうち502人が遺体で発見されたという衝撃的な報告もあります。

では、なぜこのような事態が起こるのでしょうか?その主な原因は「徘徊」です。認知症の方にとっては何か目的があっての外出かもしれませんが、周囲から見ると目的もなくさまよっているように見えるのです。

この問題に対して、私たちにできることはあるのでしょうか?幸い、いくつかの対策が考えられます:

  1. 医師の指示通りに薬を服用する これは基本中の基本ですが、とても重要です。
  2. 玄関や鍵に工夫をする ただし、完全に外出を制限するのは虐待や身体拘束にあたる可能性があるので注意が必要です。
  3. GPSなどの徘徊対策グッズを活用する ただし、本人が持ち歩かなければ意味がないので、使い方に工夫が必要です。
  4. 生活習慣を整える 特に昼夜逆転を防ぐことが大切です。
  5. 近所の方に見守りをお願いする 地域のネットワークづくりが重要です。
  6. 行方不明に気づいたらすぐに警察や地域包括支援センターに連絡する 早期発見・早期保護が何より大切です。
  7. 服装や身体特徴を常に把握しておく その日の服装も含めて、随時確認しておくと捜索の際に役立ちます。

しかし、これらの対策を家族や介護者だけで実行するのは、とても大変です。認知症による行方不明は、まさに社会全体で取り組むべき課題なのです。

私たち一人一人にもできることがあります。例えば、近所で徘徊しているように見える方を見かけたら、優しく声をかけてみる。「どちらにお住まいですか?」「お名前は?」といった簡単な質問から始めてみるのもいいでしょう。そして、必要であれば適切な機関に連絡するなど、地域全体で見守り、支え合う意識を持つことが大切です。

また、認知症の方への理解を深めることも重要です。彼らは何らかの目的があって外出しているのです。その行動を責めるのではなく、理解しながら見守っていく姿勢が求められます。

認知症による行方不明者の増加は、高齢化社会の日本が直面している大きな課題の一つです。しかし、私たち一人一人が意識を変え、行動を起こすことで、少しずつ状況を改善できるはずです。

家族だけで抱え込まず、地域全体で支え合う。そんな社会づくりに、皆さんも参加してみませんか?小さな気遣いや声かけが、誰かの命を救うかもしれません。

今日はここまでです。次回の更新もお楽しみに。ありがとうございました。

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